学習指導案
ひきざんれんしゅう
鹿児島県 阿久根市立阿久根小学校
河嶋 正和
No.000503
1.教材名
2.はじめに
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10年ぶりに1年担任を受け持ち7ヶ月が過ぎた頃、算数では繰り下がりのひき算の単元を扱うこととなった。1年生は入学して間もない5月頃から5までの合成・分解を学習し、1学期を終える頃には10までの合成・分解まで学習を深めるようになってきた。
ところが、2学期を迎えて繰り上がりのあるたし算の学習に入った頃からそれまでに身につけたはずの合成・分解にあやふやな児童が見られるようになってきた。教師が大型の数字カードを手に持ってゲーム感覚で合成・分解を問うた時には反射的に答えられるものの、それらの身につけた知識を使って計算をするという練習が不慣れであるように思われた。
そこで、学習事項がまだ十分に定着していない児童には個別指導を施しながらも、その習熟の程度に応じてヒントを得ることができるようなパソコンソフトがあれば、自分の考え方に自信を持つことができ、指導上大変効果的だろうと考えた。
教材ソフトの自作がこれほど大変だとは思わなかったが、自作ソフトのスタートラインとして見ていただければありがたい。 |
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3.教材の開発環境と開発の背景
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| (1) |
開発環境 |
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○ |
パソコン本体 |
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メモリ191MB |
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○ |
補助記憶装置 |
: |
CDRW(教材ファイルの焼付けに使用) |
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○ |
使用ソフトウェア |
: |
キューブプロジェクタ・キューブペイント |
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| (2) |
開発の背景 |
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今から5〜6年前までは教師が自作したCAI教材を使ったパソコン授業が比較的多く見受けられた。そのために教師は1時間の授業のために10時間前後、あるいはそれ以上の時間を費やして授業に臨むということは決して少なくなかった。
時は変わり、インターネット、ネットワーク全盛の時代となった。パソコンは情報を引き出したり逆に発信したりする道具となった。そのため、誤解を恐れずに表現すれば、教師がパソコンの操作そのものを教えることよりもパソコンを使った学習方法・情報処理の仕方を指導することのほうが多くなってきた。つまり、パソコンで学習する時代からパソコンで問題解決する時代へと変容してきたといえよう。
さて、この機に及んでCAI教材を開発する価値はそう高くはないだろうと考えた。しかしながら、1年生の場合、パソコンの基本的操作を指導するのは当然のことであり、そのために教師が何らかの手立てを取るのもこれまた当然である。
そこで、パソコンの基本的操作を習熟していくための一方法としてCAI教材を作成し、ひとまずはマウス操作(クリック・ダブルクリック)をその目標においた。つまり、CAI教材を通して算数の学習をすることで、パソコンの基本的操作についても習熟をめざそうと考えた次第である。
WindowsがOSの主流を占める最近では、パソコン操作が大変楽になると同時に教材を自作される先生方も少なくなり、開発途中の苦労はおろか教材づくりの必要性さえも賛同してもらえにくくなってきた。しかし、パソコンによる教材コースづくりは、プログラムの流れをつかんだうえで情報を適切に処理し、課題解決していくためには大変重要な登竜門だと考えている。 |
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4.本教材の内容
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| (1) |
使用ソフトウェアについて |
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問題(課題)を提示していくソフトとしてキューブプロジェクタを活用し、その提示する絵ファイルはキューブペイント(ハイパーキューブ)で作成した。
キューブプロジェクタはいわゆる電子紙芝居ソフトである。ボタンを設定したり時間を設定することにより、次の画面へと進み(あるいは戻り)、プレゼンテーションを進めていけるソフトである。またハイパーキューブは、ワープロ、グラフィック、表計算、データベースの機能を統合し、さらに互いにリンクさせたソフトである。専用のCAI教材作成ソフトではないが、現に学校にあるソフトを活用してみよう、このソフトでどの程度の教材づくりなら可能か挑戦してみようと考えた。
また、このソフトはどちらかといえば児童・生徒にとって使いやすいのが特徴である。したがって、学年の早い段階からこのソフトに慣れておけば、5・6年生くらいになれば卒業アルバムを1本のストーリーとして作成し、CD−Rメディアに焼き付けて卒業時に持たせることも十分可能だと考えた。
尚、このキューブプロジェクタには実行専用ソフトが添付されている。これは、ハイパーキューブならびにキューブプロジェクタを持っていないパソコンユーザーでもストーリーの実行が可能なソフトである。つまり、ストーリーの作成や編集はできないが実行だけはできるため、フロッピーディスクやCD−Rメディア等で児童・生徒に持たせ、配布することもできる。これらの事情から、このソフトを使い、教材を作成することとした。 |
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| (2) |
本教材の特徴 |
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くり下がりのひき算の学習の中で、主に減加法による計算方法を練習するためのソフトである。そのために、ヒントが減加法により順々に提示されるように構成してみた。
回答の仕方や画面の進み方については、テンキーによる操作でなく、画面上の数字ボタンをマウスでクリックして進めていけるようにした。そのほうがキーを押しつづけてしまうことで思い通りの画面に進めないといったトラブルが防げるだろうという判断もあった。
また、児童の中には左クリックがうまくできない者も少なくはない。そこで、ボタンを確実にクリックすれば音が鳴るように工夫してみた。このような手立てを取ることで、何度もクリックしてみたり、あるいはうまく操作できているかどうか心配だというような不安感をいだかせたりすることもなくなるだろうと考えた。
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5.本時
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(1) |
本時の目標 |
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・ |
減々法によって繰り下がりのあるひき算の仕方を正しく理解して計算することができる。 |
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・ |
パソコンを正しく操作して意欲を持って学習することができる。 |
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(2) |
展開 |
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過程 |
学習活動・内容 |
教師の支援と評価 |
備考 |
つ
か
む |
| 1. |
11−7の問題となる画面を見る。 |
| ・ |
ひき算であることをつかむ。 |
| 2. |
学習のめあてをつかむ。 |
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| ・ |
パソコンをつかって、たのしくひきざんのがくしゅうをしよう。 |
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| ・ |
画像を提示することによりパソコン学習の楽しさを味わわせ、興味・関心を深めさせる。 |
| ・ |
学習姿勢を正しくさせる。 |
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| ・ |
液晶プロジェクター |
| ・ |
スクリーン |
| ・ |
キューブプロジェクタ |
| ・ |
ホワイトボード
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見
通
す |
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3. |
学習の順序を知る。 |
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・ |
スクリーンを見る。 |
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・ |
説明を聞く。 |
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・ |
学習の順序を知る。 |
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がくしゅうのじゅんじょ |
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1. |
11−7のしきとこたえをかく。 |
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2. |
れんしゅうもんだいをする。
すうじをわけてする。 |
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3. |
おわったらパソコンでこたえあわせをする。
わからなかったらパソコンでヒントをみてやりなおす。 |
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考
え
る |
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4. |
11−7のけいさんをする。 |
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・ |
ノートに式と答えを記入する。 |
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・ |
計算の考え方を発表する。
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・
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式の書き方をノートをつかってきちんとつかませる。 |
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深
め
る |
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5. |
練習問題をする。 |
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・ |
ワークシートに答えを書く。 |
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・ |
被減数を分けて書く。
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・
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児童によってはブロックを使わせ、随時指導する。 |
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確
か
め
る |
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6. |
パソコンで答えを調べる。 |
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・ |
パソコンでヒントをつかむ。 |
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| ・ |
数の分け方でつまずいている児童には個別指導をする。 |
| ・ |
早く終わった児童には他の練習問題(コース)をパソコンでさせる。
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ま
と
め
る |
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| ・ |
本時の学習で分かったことを発表する。 |
| ・ |
次時の予告は最後までしっかりと聞かせる。
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6.今後の課題
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パソコンを個別学習機として使用するためには、パソコンを活用することで児童一人一人の実態に応じた学習に適切に対応してくれるということが条件となる。間違ってもパソコンを活用することで、児童の学力差がより広がるということがあってはならない。
今回の教材ソフトを使った授業では、理解の早い児童はどんどん先に学習が進められ、あらかじめ用意しておいた練習プリントでさらに理解を深めることができた。一方、まだ理解が十分でない児童にとっては、パソコンの画面上の問題をすべて開くことさえ難しい面も見られた。
今回の教材ソフトの作成を通して、個に応じた多用な学習コースを設定することは難しいと改めて痛感させられた。今後は、やはりパソコン学習にふさわしい場面と他の方法で課題追求をした方が効果的な場面とを厳密に見分けていく必要があるだろう。そして、パソコン学習にふさわしい場面では、学習内容がより一層処理しやすくなるような活用の仕方を指導していきたい。そういった学習を手助けするような教材ソフトの作成や使用環境を整えていきたいと考えている。 |
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