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教えてうれしい!教わって楽しい!
情報委員会による昼休みパソコン室開放の取り組み

第9回キューブ活用コンテスト授業実践アイディア部門準グランプリ受賞 No.000633 2003


学校種・学年 小学校 1・2・3・4・5・6学年
教科 特別活動・昼休み 、(情報教育)
小学校  特別活動 学習指導案/指導計画/授業アイディア
学校名 静岡県 浜松市立佐藤小学校
作成者・発表元 渡辺智美・加茂法子・五十川直子
使用ソフトウェア・教材 お絵かき(キューブペイント )
マウスレッスン
キーボードレッスン
 教育用統合ソフト キューブシリーズ製品情報


1.テーマ


教えてうれしい!教わって楽しい!
情報委員会による昼休みパソコン室開放の取り組み

2.実践の概要


本校では、昼休みのパソコン室開放で、子どもたちがパソコンやデジカメなどの情報機器をどんどん使うための取り組みとして、平成14年度より
(1)週に2回テーマを決めた開放をする
(2)学期に1回デジカメやパソコンを使ったイベントを開催する
を実施している。このとき活用しているソフトは、主にハイパーキューブである。機器に親しむチャンスを増やし、パソコン遊びをしながら機器操作のスキルを上げることが目標である。

これらの開放の内容を決めたり運営をしたりするのは、情報委員会の児童たちである。
情報委員児童は、パソコン室開放を支えるパソコンリーダーとして、開放に訪れる児童の操作支援もしている。
 
この取り組みの結果、毎日たくさんの児童がパソコン室に来るようになった。どの子も「パソコンを使ってこんなことしたい」という目的を持ってパソコンに触れ、操作スキルをあげている。

3.実践の背景



(1) なぜ、このような取り組みを始めたのか
本校の児童は、パソコンやデジカメに触れた経験が少なかった。そのため、それらを用いた授業を行うときスキル習得に時間がかかってしまい、授業時間を本来その教科で教えたい内容に充分に割くことができなかった。そこで以前より行われていた昼休みのパソコン室開放をうまく利用してパソコンに慣れ親しみ、スキルを身に付ける取り組みはできないかと考えた。
 
(2) なぜ、委員会活動として取り組んだのか

この取り組みを委員会活動として行ったのは、次のような理由からである。
子どもの目線でパソコン室を開放し、遊び感覚でスキルアップを図りたい
やってくる子どもたちの操作をサポートする支援者を確保したい
 
昼休みにスキルを身につけることができれば、授業時間を奪われることがなくなる。
しかし、昼休みという時間は、本来休み時間で遊びも大事であることから、これを実践するときには、遊びの中で楽しくスキルアップを図るようにするようにしたかった。それには、児童の目線で開放の内容を考えていく必要があった。
 
また、初めてパソコンやデジカメに触れる児童は、初歩的な操作でさえ不安に感じるので、支援者を確保することも大事だと思った。授業時間と違い昼休みでは、教師がいつも対応するのが難しいため情報委員会の児童をパソコンリーダーとして育て、操作のサポートに交代で配置することにした。
 
(3) 実践に関わる本校の環境や実態について 
本校は、全校児童数が約200人前後の小規模校である。
昼休みのパソコン室開放において一度に利用できるパソコンの台数は、20台である。
委員会は5、6年生児童により行われ、情報委員会の児童は10人〜12人が割り当てられる。
情報委員児童は、担当する曜日を決めて昼休みのパソコン室開放のサポートをしている。


4.実践の進め方



(1) 実践のねらい
昼休みの時間を利用して、子どもたちに遊び感覚でどんどんパソコンに触れさせ、パソコン活用の楽しさを感じさせることができる。
情報委員児童をパソコンリーダーとして育成し、開放に訪れた児童のサポートを行うようにして、パソコン操作のスキルアップを図ることができる。 
 
(2) 実践の計画
本実践は、図1に示すように、初めに情報委員会児童をパソコンリーダーとして育成するための取り組みをし、その後テーマを決めた開放やイベントの開催を実施するという手順で進めることとした。 情報委員児童がパソコンリーダーとして力を発揮するためには、他の児童たちよりも先にスキルを身につけておく必要があったからである。
 

図1 3つの手だての進め方



5.具体的な実践の様子



(1) パソコンリーダーを育成するための活動
情報委員児童にできるだけ早い時期に図形描画や写真挿入などの基本操作が身につくように次のような二つの仕事を委員会の活動として義務付けた。
仕事【1】 キューブペイントで委員会のキャラクター作り(初回の委員会活動)
仕事【2】 :パソコンやデジカメを使った掲示物作り(2回目以降の委員会活動)
 
仕事【1】として初回の活動時(3月)に実施した「キューブペイントでキャラクター作り」は、図形描画や色塗り、ファイルの保存や印刷などの基本操作に慣れさせることをねらっていた。
キューブペイントは、初めてパソコンを使う子どもたちにとって操作しやすいため、その後のパソコン室開放の際に利用する予定にしていた。
 
そのため、委員会の児童たちが、初回の活動としてこの仕事をすることは、キューブペイントの操作に慣れることとなり、その後の開放のときに支援のサポートがしやすくなるだろうと想定していた。
                  
2回目以降の委員会活動の仕事として実施した「パソコンやデジカメを使った掲示物作り」は、委員会の児童に写真の挿入や文字飾りなどのスキルを付けることを目的にしていた。 
毎月の活動とすることで必然的に繰り返しデジカメやパソコンに触れることとなる。それが、少しずつ操作スキルが高めることとなり、パソコンリーダーとしての自信を持たせることができると期待した。
 
(2) 週に2回のテーマを決めた開放 
週に2回のテーマを決めた開放は、図2に示すような内容で実施した。
遊びの中でスキルアップできるように開放のテーマを決める際には、次のようにした。
委員会児童が話し合い、子どもの目線で決めるようにする。
委員児童の提案の中から、スキルアップできるものとなるように助言する。



図2 火曜日・木曜日の開放テーマ一覧


開放テーマ 使うソフト 身に付くスキル


「マウスレッスン・キーボードレッスン」

ハイパーキューブネットJr.の中のマウスレッスン(パズル)やキーボードレッスンをする。
ハイパーキューブ
マウスレッスン
ハイパーキューブ
キーボードレッスン
15年度9月よりWebサイト「キーボー島アドベンチャー」も利用している。
ソフトの起動と終了
マウス操作
文字入力


「お絵かき体験」
委員児童が用意した元絵に線や色を付け加えて好きな絵を描く。

キューブペイント
図形描画
色ぬり
文字入力
印刷


火曜日は、ハイパーキューブネットJr.の中のマウスレッスンキーボードレッスンを用いて、ゲーム感覚でマウスやキーボードに慣れることをねらった開放をした。
平成15年度9月より、キーボー島アドベンチャーも利用している。    
 
また、木曜日は、「お絵かき体験」をテーマとしたった。これは、キューブペイントを使って、委員児童が用意した元絵に、参加児童が自由に線を加えたり色をつけたりして好きな絵を描く内容となっている。やりたい子は、だれでも参加でき、図形描画の方法、図の回転の方法、色の付け方、やり直し機能などをパソコンリーダーからいつでも教わることができるようになっている。

このような開放を実施したのは、子どもたちにデジカメやパソコンにたくさん触れる機会を増やすためであり、「パソコンでこんなことができる」という活用の楽しさを感じさせるためだった。
平成13年度までは、曜日ごとに学年を割り当てているだけだった。
                 
そのため週に1回しかパソコン室開放に来ることができず、せっかくパソコン室に来ても、「パソコンでこれをしよう」という目的をもってる子は、ほとんどいなかった。
このテーマを決めた開放は、昼休みの時間が長い火曜日と木曜日に実施し、来たい子がだれでも参加してよいことにした。その他の曜日(月・水・金)は、学年ごとに輪番制で利用することにした。



図3 開放の仕方の変化

13年度までの開放の仕方

学年ごとに割り当て

:4年
:6年
:3年
:5年
:1年or2年

14年度以降の開放の仕方

週2回はテーマを決めて

:学年ごとに輪番
:マウス・キーボードレッスン
:学年ごとに輪番
:お絵かき体験(キューブペイント)
:学年ごとに輪番


(3) 学期に1回のデジカメやパソコンを使ったイベント
イベントは、図4に示すような内容で、学期に1回開催した。関心を高めるために放送や掲示物で宣伝活動をして、参加者を募るようにした。また、参加する児童全員に担当の情報委員をつけ、初めてでも安心して参加できるようにした。
ここでも、遊び感覚でスキルアップを図るため、次の点に留意した。
各学期の初めに委員会の児童が子どもの目線で決める。
パソコン遊びの中でスキルアップできる内容となるように助言する。
テーマを決めた開放をしているだけでは、パソコンにあまり興味を示さない子たちは、なかなかパソコン室へは、やってこなかった。そういう子たちのパソコンへの関心を高めるためにイベントを行った



図4 開催したイベント一覧表


学期 内容 使用ソフトウェアなど 身に付くスキル


14

「キャラクターまねまねコンテスト」
委員会児童の描いたキャラクターをまねして描き、どれが一番本物に似ているかを競う。(2人一組で参加)

キューブペイント
図形描画
色塗り
印刷
「デジデジラリー」
委員会児童が準備した校内のある場所の拡大写真を見て、その場所がどこなのかを探し、写真を撮って帰ってくる。(2人一組で参加)
キューブペイント
デジタルカメラ
デジカメ撮影
写真挿入
印刷
「撮って作ってぶん・ブン・BUN」
校内のお気に入りの場所の写真を撮り、そこを紹介する新聞を作る。
(2人一組で参加)
キューブペイント
キューブワード
文字入力ソフト
デジタルカメラ
デジカメ撮影
写真挿入
文字入力
文字飾り
印刷


15

「キャラクターまねまねコンテスト」
委員会児童の描いたキャラクターをまねして描き、どれが一番本物に似ているかを競う。(2人一組で参加)

キューブペイント
図形描画
色塗り
印刷
「マイアートコンテスト」
参加者が好きな絵を自由に描いて、全校児童の投票により、グランプリを決める。(個人参加)

キューブペイント
図形描画
色塗り
背景色
印刷
未定
未定



6.実践の効果



(1) たくさんの児童が昼休みのパソコン室に遊びに来た
テーマを決めた開放やイベントの開催などの取り組みの結果、たくさんの子どもたちが昼休みのパソコン室に遊びに来るようになった。

右のグラフは、曜日別のパソコン室平均来室人数の平均を示している。このグラフからテーマを決めていた火・木に子どもたちが多く集まっていることが分かった。
 
特に木曜日の「お絵かき体験」は、低学年の児童に大人気で繰り返しやってくる子が多くいたことが利用者名簿から分かった。

テーマを決めた開放やイベントに訪れた児童たちは、情報委員会の児童の支援を受けて、安心して、楽しくパソコンやデジカメに触れることができたことが、実際の開放やイベントの様子やアンケートなどの記述に見られた。

曜日別平均来室人数(平成14年度)



お絵かき体験を楽しむ児童たち イベントに参加した児童のアンケート


(2) パソコン遊びを通して操作スキルが上がった
テーマを決めた開放に繰り返しやってきた児童たちは、確実に操作スキルを向上させていった。
例えば、下の写真は、毎週木曜日の「お絵かき体験」によく来ていた2年生児童T男の作品を古い順に並べたものである。(キューブペイント利用)
作品の移り変わりの様子から、使える技能(塗りつぶし効果・背景色を付ける・模様をつける・文字入力をするなど)が増えていったことが分かる。
 
また、マウス操作にもずいぶん慣れていて、色の塗りそのものの技能もアップしている。この児童と同様に「お絵かき体験」に来ていたその他の児童も情報委員会の児童の支援を受けて、遊びを通して、スキルを少しずつ高めていった。

イベントに参加した児童も、担当の委員会の児童から操作方法を教わってスキルを向上させたことが、アンケートの記述から分かった。
 


(3) 情報委員児童は、やりがい感を持って活動している
情報委員児童は、パソコンやデジカメの操作スキルを先に高めることができたため、パソコンリーダーとして自信を持って、昼休みのパソコン室開放において支援に当たることができた。また、開放やイベントのときに情報委員児童から操作のサポートを受けた児童たちは、「お兄さん、教えてくれてありがとう。」「来週もパソコン室に来るね。」
などの反応を返していた。このような反応は、情報委員児童にとっての喜びとなり、仕事に対するやりがい感が生まれた。

さらにパソコンリーダーとしてスキルを高め、開放に来る子たちに「もっと教えてあげたい」「もっと楽しくパソコンに触れてほしい」などの願いを持っていることが、毎月の活動の様子や反省カード・作文などの記述に見られた。
 

14年度の委員会の反省カード 委員会児童が作った参加賞


(4) その他
浜松市パソコン技能認定9級合格者続出
14年度の2年生児童は、お絵かき体験を繰り返してきた。授業時間では、パソコンに触れさせていなかったが、浜松市パソコン技能認定の9級(低学年児童に期待される図形描画・印刷などの技能の検定)に全員受かることができた。
 
パソコンを使った学習への期待
ハイパーキューブは、子どもたちにとって操作が容易だったため、初めてパソコンに触れる児童たちも楽しくパソコン遊びをすることができ、スキルを高めることができた。その中でスキルを高めることができた児童は、授業時間では、本来その教科で学びたい内容にすぐに入ることができ、スキル習得に時間が奪われてしまうことがなくなることが期待できる。
 
パソコンを活用しての学習のまとめ(新聞作りやプレゼンテーション)に生かそうとする子どもの姿が出始めている。



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