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教育の専門家にお聞きします

 

   

佐藤正寿先生

教育用プレゼンテーションソフトで
価値ある授業の創造を(1)
〜子どもたちのプレゼン能力を積極的に育てよう〜

佐藤 正寿
岩手県 水沢市立水沢小学校 教諭
 

佐藤正寿先生は、教育用プレゼンテーションソフト『キューブプレゼン』を使って、授業のさまざまな場面で活用を始めています。
「プレゼンテーションソフトの活用で授業が変わる」とおっしゃる佐藤先生。
キューブプレゼン』を活用した実践事例を交えながら、子どもたちのプレゼン活動はもちろん、教師自身の授業でのプレゼン活用の両面から、“プレゼン活動のコツ”についてご紹介いただきました。

■ 2004/08/13掲載

キューブきっずキューブNextにも同梱されている静岡大学・堀田助教授編著のプレゼン指導虎の巻プレゼン指導虎の巻」も合わせてご覧ください。

   

プレゼンの授業をして、こういった声を聞いたことはないですか?
これは、実際に私が言われたことのある言葉です。

 


子どもたちは、スライドを作っただけで燃え尽きていたね。”
スライドを作ってプレゼンをさせる授業で、もうスライド作りで精一杯。肝心のプレゼンはどうかといったら、プリントを見ながら棒読みだった。簡単に言うと、プレゼンを意識していない授業だったという失敗例です。

“子どもたちは、ずいぶん熱中してスライドを作っていたんだけど、どんな力があれで身についたの?”
プレゼンソフトには多くの機能があります。子どもたちは、一生懸命話し合っているのだけれど、どっちのアニメにする?どっちの音にする?ということにばかり気をとられて、内容がおろそかになってしまっている。これもよくある例です。

さらには、
“先生はそういう授業をやるけど、よくやるよね。なかなか時間がとれないよね。”
“先生はパソコンが好きだからいいけど、私達には難しいよね。”

このようにおっしゃる先生も、「でも、プレゼンソフトを使った授業をやりたい」と思っているのです。その証拠に、「じゃあ今度一緒にTTを組んでやりましょう」というと、「ああじゃあ喜んで」というような声を聞きます。

 

 
   

こういった声は、キューブプレゼンを使えば簡単に解決することができます。
実際の授業の実践をまじえながら、ご紹介していきたいと思います。

 


子どもたちのプレゼン能力を積極的に育てよう

6年生の「総合的な学習の時間」で、修学旅行に関する題材「修学旅行デジタルガイドブックをつくろう」という学習を行いました。これは、実際に修学旅行に行った後に、子どもたちにデジタルガイドブックを作らせるという学習です。
修学旅行の自主学習では、子どもたちが自分達で調べ、自分達で行き先を決め、自分達で考えて行動しました。これは子どもたちにとっては冒険であり、子どもたちも、「修学旅行で一番楽しかったのは自主学習だよ」と言っています。
この、事前準備をしっかりしており、実りの多い学習であったという点が、この題材を選んだ理由でした。
また、この題材は、プレゼン能力を伸ばすことができる。
それから、キューブプレゼンを効果的に活用できる。
さらには、来年行く5年生のためにプレゼンしようということにしたため、明確な相手意識をもつことができるというのもよい点です。
(この『相手意識をもつ』ということは、非常に大切です。)

主な学習の流れは、大きく4つに分かれます。

 

1〜3時間目 構想・資料収集
4、5時間目 スライド作り
6時間目 リハーサル
7、8時間目 プレゼン本番、振り返り

この学習の中でも「コツ」(IT活用のポイント)がいくつかあります。
 

 


「修学旅行デジタルガイド
ブックを作ろう」6年・総合

コツその1: スライドショーで意欲喚起
子どもたちは、実際に修学旅行に行っています。そのときのことを思い出すために教師が写真を見せました。
思い出の写真を出すことによって、子どもたちは、「ああこのとき面白かったよね」とすぐに思い出します。
思い出したところで、5年生にプレゼンしようと提案しました。子どもたちは意欲満々で取り組みます。

キューブプレゼンでは、写真が保存してあるフォルダから、写真を選んでドラッグ・ドロップするだけで簡単にスライドショーが作成できます。2、3分で、授業が終わってから思いつきでぱっとできてしまうのです。



修学旅行のときの写真を
スライドショーで見せました

 

コツその2: スライド作成前に、話の流れを考えよう
プレゼン能力というのはいろいろあります。その中でも特に、『話の流れを考える』というのは、非常に重要なプレゼン能力です。この支援として、計画シートを作ること、スライドを少ない枚数に限定することにしました。

スライドを子どもたちに作らせると、数限りなく作る子もいれば、3枚、2枚くらいで終わる子もいます。
この場合には、2時間で作れる分量として適切な5枚に限定しました。限定することによって、子どもたちはどれを選ぶか、どんな内容にするかを考えなければならなくなります。

ストーリーバーここでは、ストーリーバーが役立ちます。 
これは話の流れを考えるためのものです。このストーリーバーが中央にある点がこのソフトの特徴です。

 

5枚のスライドでも、インパクトのあるスライドをはじめにもってきたらどうだろうか、これは後ろの方がいいなあ、というように、子どもたちが簡単に中身の並べ替えができます。この簡単に試行錯誤ができるという点が重要です。

ワークシートさらに、計画シートを使いましたが、実際にはワークシートを作るのも大変です。

キューブプレゼンには、ワークシートがはじめから用意されていますので、すぐに印刷して記入することができます。



スライド作成前に
話の流れを考えよう
 

コツその3: キャッチコピーにこだわる
今回はキャッチコピーにこだわりました。子どもたちは一回体験していることですから、自分達の思いをキーワードにしてまとめることができます。キャッチコピー、キーワードをつくると伝えたいことが鮮明になります。例えば、“お魚いっぱいまってるよ”これは、水族館のキャッチコピーですね。それから“君を2万年前の世界へ”これは、 『地底の森ミュージアム』という昔の遺跡を集めた施設のキャッチコピーです。
このキャッチコピーは次の段階で生きてきます。


キャッチコピーにこだわる
『実験がいっぱい!科学館』

コツその4: スライド作成で発問
スライドを作っていると、自分達が作っているスライドの焦点がボケる場合があります。そういう場合は、キャッチコピーを見て、あなたの一番伝えたいことは何ですか?と発問します。そういうときにキャッチコピーがあれば、「そうか、魚の話がしたいんだね、じゃあもう少し魚のことを出してみようか」といったようなな話し合いができるようになります。このようなスライド作成でも、効果的な発問をすることは非常に大切です。


スライドの焦点がボケるときは
効果的な発問で

コツその5: リハーサルは時間を意識させる
さて、プレゼンを意識するためには、このスライドづくりで燃え尽きてはいけません。今度はリハーサルです。リハーサルで意識させたいのは時間です。時間を限定するわけですから子どもたちはどういう風にプレゼンすればいいかを考えるわけです。この場合は、 3分間という時間の限定をしました。ところが、3分間といっても子どもたちは時計を持っていません。ストップウォッチを全員に渡そうと思ってもこれは大変なことです。

キューブプレゼンには、『リハーサル機能』があります。
スライド1枚につき何秒かかったかというのが表示されるのです。この結果をみて子どもたちは、「ああ 3分間なんだけど2分しかないや」「もう 1分間使えるのにもったいなかったな」というふうに考えた
リハーサル結果り、 「4分間かかったなあ、じゃあどこかを削らないといけないなあ」と考えるわけです。このようなリハーサル機能を使って、子どもたちは実際、長さ 3分間という時間を有効につかってプレゼンテーションします。

 

 



キューブプレゼンで
時間を意識したリハーサル


 

コツその6: リハーサルで自己評価、相互評価
リハーサルでは、自己評価、相互評価することも大切だと考えています。
自己評価、相互評価には観点というのがいくつかあります。ただ、それを1回1回教師が行う、ワークシートを作るというのも大変です。これも、先ほど紹介した中にワークシートがあります。発表はどうだったか、構成はどうだったかという観点にあわせて利用することができます。

 

 


自己評価、相互評価で
ワークシートを活用

コツその7: 育てたい能力を重点的に
今回は、「アイコンタクト」を意識しました。子どもたちは、これがよかったよというアドバイスを先にもらっていると、もっとこうしたらいいよというアドバイスをすんなりと受け入れられるようです。

ここまでくると、本番はもう楽しい、やる気いっぱいのものになるはずです。
子どもたちはリハーサルの効果もあり、落ち着いてプレゼンをすることができました。5年生からも「スライドが楽しく分かりやすかった」「迫力のある話し方だった」といった感想をもらい、子どもたちも自信を持ちました。
プレゼン後、感想や自分達に身についた力を話し合い、学習を終えました。

 

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この活動においての「子どもたちの学び」はいくつかありますが、次の3つに集約されます。

・「ガイドブックの構想」「スライドづくり」「原稿作り」といった作品づくりの知識・方法・技能

・「アイコンタクト」「発表時間の意識化」といったプレゼンのスキル

・「作品を仕上げる楽しさ」「プレゼンすることのよさ」を味わう

特に3つ目の「プレゼンのよさ、楽しさを味わう」、これは、子どもたちが学習の中でだいぶ学んだことであって、これ以降、やっぱり学級の朝の会のスピーチも変わりました。この学習の後は、「今日はプレゼンしよう」と言っても、子どもたちは「え〜」などという声をださずに、楽しむようになりました。

 

 

 


教育用プレゼンテーションソフトで価値ある授業の創造を(2)
 
〜教師も授業でプレゼンしよう〜