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インタビュー&;コラムインタビュー&コラム
教育の専門家にお聞きします

■ 2004/05/12掲載

身の回りの課題について調べてみたらどんなことが見えてくるのか?! に挑戦します。
一緒に情報活用をしてみませんか?


小田 和美
東京都 東京女子体育大学・講師 

 

 

 

 学習指導要領の「改革のポイント」によると「多くの知識を教え込む教育を転換し、子どもたちが自ら学び自ら考える力の育成」とあります。
 実際、人に聞いてしまうより自分で調べて発見するほうが楽しいですね。そのような学習を支援するには、教育者自身、自ら学び自ら考える力を身に着けなくては!
 このシリーズでは、身の回りの課題について調べてみたらどんなことが見えてくるのか?! に挑戦します。一緒に情報活用をしてみませんか?
 第一回目は,身近な悩み「花粉症」です。

 
 

Vol.1

私…、強度の花粉症なんで〜すッ!!
 


 桜もすっかり葉桜になりました。花粉予報に寄れば,もう花粉は下火だそうですが,マスクにメガネの人はまだまだ多いようです。かくいう私も「どちらのエージェントですか?」と娘にからかわれながら,大きな黒いガードメガネを離せません。 実は…私…,強度の花粉症なんで〜すッ!!

 人事ではない方も多いと思います。メガネにマスクのいでたち,最初は気恥ずかしかったけれど,最近では堂々とやってます。お仲間もめっきり増えてきたみたいね。気のせいかな…? いったい,何人ぐらいの人が花粉症で困っているのかしら… 花粉症って日本だけ? 子どもや高齢者には少ないようだけど? などと興味も湧いてきます。 そこで,今回のテーマは,花粉症。

 花粉予報のサイトがたくさんあるけど,どうやって予報してるの? どれくらい正確なの? 花粉がたくさん飛べば花粉症はひどくなるの…? 花粉症(アレルギー)って病気なの? どうやったら治るの? ヨーグルトは効くの? シジュウム茶は? 凍頂ウーロンは? なんて疑問を持ってしまったら,もうキリがありません。テレビや雑誌には,いろいろな記事や噂が出てきますが,どこまでが正確で,どこまで信用できるのでしょうね〜???

知りたいことが満杯になってきたら,
インターネットで,調べてみたらいいんじゃな〜い?!

 というわけで,チョット調べてみましたよ。キーワードに「花粉症」と入れてみると… googleでは約 609,000 件(ヒット数ダントツ),イメージ検索すると約 7,610 件の花粉症関連のイメージ(図や写真)が出てきます。教材を探すときには,このGoogleのイメージ検索,とっても強い味方ですね〜! gooでは約143,000件,Yahoo!では約181,000件。いずれにしてもすごい数! ご存知のように,Yahooはカテゴリー検索の代表格。登録サイト128件がヒット。この128件の情報発信源は,学会,研究所,公的機関,企業,医院など。情報の真偽性は,ある程度の信頼性が持てて,なかなか便利です。でも登録されてないサイトのなかに,もっと面白いサイトがあるかもしれません。となるとキーワードを工夫してand検索しながら,信憑性があって面白い情報を探したくなりますね〜

 「アレルギー 免疫」と入力してみました(120,000件)。専門的なページが多く出てきて,チョット難しいな… アレルギー免疫用語解説というのもあります。
 あとでお勉強になりそうねだから,マイリンクに入れておきましょ! 

 いったい,何人ぐらいの人が花粉症にかかっているのかしら? 「花粉症 人口」で検索(15,700件)。なになに…?? 「日本の人口の10%にせまる…」「人口の10%を超える…」「人口の15〜20%といわれ…」「30%の…」どれが本当なの?? あらら。。。このページの文章は,さっき見たページの文章の丸写しじゃな〜い! 
 インターネットの情報には,こんなものもあるから,ひとつだけで判断しちゃだめですね。

 正確な,統計データがあるとしたら厚生労働省かな? ないわね…
 探し回っているうちに環境省の「花粉症保健指導マニュアル−平成15年度改定版−」を発見!
 「平成12年度の奥田・馬場等の調査では国民のおよそ16%が花粉症患者と推定され」と書いてあります。 このページ,学会や東京都といった公的組織の調査結果を元に作成してあるようです。グラフもあります。見てみると…
 千葉県の調査では,小学生の頃から抗体ができ始め(感作),感作率も発症率も男子のほうが高い。感作率は20-40歳がピーク。発症率は20〜40〜50歳が高く,成人は男性より女性のほうが多い。へ〜,千葉県では子どもの世代と逆転してるのね…どしてかな… 

 「日本では昭和40年代後半から急に報告が増えた」だそうです。その頃40歳だった方は,今は80歳ぐらい。加齢とともに自然治癒するのかしら? それともこの勢いで増加し続け,いずれ感作率のグラフはどの世代も横並びあるいは右あがりになるのかしら…? 国レベルでの統計を経年で取っていかないと,わかりませんね。

 「花粉症の種類や発症状況は各地方の植物の種類や花粉の数によって異なり,その動向は花粉の飛散状況とおおよそ一致」だそうですが,もう少し厳密な花粉飛散と発症の関係,わからないかしら… あったあった! 財団法人日本アレルギー協会(JAANet)の中にある,第7回:アレルギー講演会によると,「実際には,花粉が飛散しない時期にも花粉症の症状の出現が高頻度に認められる」とのこと。具体的な発症数と花粉飛散量とのグラフによると,花粉の飛び交う以前や花粉が収まったあとにも,花粉症発症のピークがあるようです。「花粉」は花粉症を誘発する一つの誘引だけど,引き金は他にもあるということね。
 ここ(アレルギー講演会記録集)には,過去の講演会の記録が公開されています。各分野の研究者が成果を啓発的にまとめ講演した記録です。読みやすいし納得できます。時間があったら覗いてみると面白いと思いますよ。花粉症のいろいろも「患者さん・一般向け情報」というところにわかりやすくまとめられています。

 治療法はどこまでわかっているの? も興味のあるところですね。自分や友人の体験からは,シジュウム茶やヨーグルトの効果はありね! でもこれ,私の周りだけの話? チャントした統計や調査を知りたいわね!
 しかし,このサイトで扱われているのは「化学伝達物質遊離抑制薬,ステロイド薬…」といった薬物療法や「減感作療法」の話が主体。それ以外については「いわゆる民間療法すべてがプラセボ効果とは断定出来ないが,一方で,必ずしも有効性を示す証拠とも断定できず…」といったレベル。ハーブ(薬草)や発酵菌の臨床研究が日本医学会で認知されるのはまだまだ先のようね…
 シジュウム茶や凍頂ウーロン,ヨーグルトなどという言葉で検索すると,個人のサイトや健康食品ネットショッピングのページが殆ど。もっと根拠(データ)や論理が明確で信憑性のある情報はないのかしら… これは,宿題!!

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 さて,私が花粉症調べにはまっている理由… 実は今年,花粉症はシジュウム茶(凍頂ウーロンも飲みました!)で楽だったのですが,もっとつらい現象が起きました。目の周りが痒くて痒くて… ツイツイ擦ってしまっているうち,真っ赤になって,腫れてきて,ゴワゴワになって… 痛々しいというか気味悪いというか… なおさら花粉症メガネをはずせなくなりました(メガネでごまかす…という感じです)。これも,花粉症? 別の皮膚病かしら? どうもアトピーが,花粉の時期にひどくなったという感じですが,なにしろ治りません。で,調べてみたのだけどね〜
 ありましたよ!先ほどの講演会記録の中…
 やはりこれは,アトピー性皮膚炎(アレルギー)のようです。花粉で起きるというより,もともとアトピーだった部分に花粉が付着して悪化する。となると,アトピーの治療が効果的! フムフム…

 花粉症は,ある時期に起こる一連の症状の総称なのね。「花粉」はその「誘因」であったり「悪化」させる要因だったりするけど,「花粉」が原因なのではなく「自分のからだ」に原因がある。そういうメカニズムをアレルギーという。でも名前をつけただけでは解決にはならないのよね〜
 蛇足ですが,卒研で「冷え性」をテーマに社会調査をした学生さん(本人も重度の冷え性)が厚生省に問い合わせたところ「冷え性は病気ではないので厚生労働省では扱っていません」と回答され驚いていました。

 病気でなければ,健康なの? これは,保健で是非,取り扱ってもらいたいテーマです。免疫のメカニズム(自分の体)と病気の原因(ウィルス,バクテリアなど)についての正しい理解は理科の課題ですね。なぜ,昭和40年代から報告が増えたのか… その頃,日本になにが起きたのか,どんな時代だったのか… これは,理科,社会,地理,国際,地球が絡む,大きなテーマです。韓国では,花粉症は少ないとのこと。他のアジア諸国はどうなのでしょう? 調べていくうちに,花粉症が回虫駆除と関係しているという話も見つかるでしょう。「花粉症 寄生虫」で検索をしてみてください(3,860 件)。いまだに賛否両論ですが,それらの主張を読み比べていくと,納得できる論理展開というものが見えてもきます。いろいろ見比べてから,アレルギー対策本部に行ってみてください。ためになる花粉症コラムで,寄生虫とアレルギーの関係 が読みやすく客観的に紹介されています。

 キーワードだけで,これだけの情報がインターネットから出てきます。注意深く読んで,関連をまとめていくと,新しい事実がみえてきます。

 新しいことを知る,モヤモヤが解けていく,新しい疑問が生まれる,調べる,少しずつ見えてくる,あるときスッキリして,新しい別の課題が見えてくる… 面白いですね〜〜  この面白さがあるから,人間は学び続けてきたのだと思います。

この面白さ,子どもたちに伝えていきたいな〜! 

 

 

 


○プロフィール○

体育とは縁のない分野出身ですが、縁あって今の職場に研究室を構えています。教員養成の講座を担当しています。ライフワークとして通称:永野プロジェクトに参加し、情報教育推進のための活動をしています。活動母体はJNK4(情報ネットワーク教育活用研究協議会)。活動の成果は火曜の会のサイトでご覧いただけます。
推理小説やクイズ・パズルが好き、料理でも裁縫でも芸術活動でも自分流の作品を作るのが好き、新しいことには興味津々、指示されたままに動くのはイヤ といった少女時代をすごしました。今でも殆ど変わってないみたい。いろいろな人や事件との出会いを楽しんでいます。150歳まで生きるのが夢! そうしたら、ドラえもんに会えるから〜!