授業に役立つ教育情報サイト キューブランドWeb
インタビュー&コラムインタビュー&コラム
教育の専門家にお聞きします

■ 2004/07/09掲載

身の回りの課題について調べてみたらどんなことが見えてくるのか?! に挑戦します。
一緒に情報活用をしてみませんか?


小田 和美
東京都 東京女子体育大学・講師 

 

 

Vol.3

ロマンチックな世界を求めて、

調べてみましたよ〜〜!

 


 7月の行事といえば、七夕ですね。今年も全国の幼稚園・小学校では、笹の枝に「願い事を書いた短冊」や飾りを結びつけ、1年に1度しか会えない「牽牛と織女」のために、天の川がきれいに輝くことを願っていることでしょう。毎年、夏には全国で、七夕祭りが開かれます。

 小さい頃、私は七夕を「とても悲しいロマンティックなお話」として受け止めていました。ロミオとジュリエットにも通じる「許されない純愛」って、女の子は好きなんですよね〜〜! たった24時間のために364日がある生活というのは、残酷な話だな〜〜  でも、そこまで人を好きになれるということは、羨ましい話ね〜 という捉え方です。絵本や読み物で七夕といえば、かわいいイラストがつき物で、ますますイメージを膨らませていました。
 今なら、メールも携帯電話もあるし、テレビ電話まで出てきています。「親に禁止されたから会えないなんて、ナンセンス! 会いたければ新幹線で飛んでいけば〜?!」なんて、現代っ子は言うかもしれません。でも、そういう道具が何もなかった昔の話。神様の世界も、家父長制だったのでしょうかね〜

 「互いに好きあっている二人が、理解のない周りの者たちによって、仲を裂かれる」なんていう設定は、ありがちで、世界中に七夕伝説のような物語が残っているのではないかしら…??

 ロマンチックな世界を求めて、調べてみましたよ〜〜!

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 日本には、いくつか有名な「七夕祭り」があるようです。全国の大きな七夕祭りは「全国たなばた祭」に行くとわかります。ここには載っていませんが、私の地元では高円寺の七夕(ナント阿波踊りを踊ります?!)や、阿佐ヶ谷の七夕が、地域の人たちを集めています。きっと、各地域、それぞれの七夕祭りがあるのでしょうね。
 でも、こうなってくると、「牽牛と織女」のロマンスというより、五穀豊穣や地元商店街の思惑の様相が色濃くなってきますね。古代から伝わってきた七夕伝説に日本の文化が混じり、さらに現代の社会模様がミックスされ、日本的な祭りが出来上がって来たのだな…と想像できます。もともとの物語は、どうなっていたのでしょう?伝承と祭りの歴史に興味が湧いてきたので…

 七夕、伝承、起源 といったことを、調べてみました〜〜!

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 七夕伝説として残されているのは、アジア地域が殆どのようです。ここら辺の情報は、「円環伝承」の星辰万象や、「星の神殿」の天文民俗学、あるいは「天文民俗学のページ」などを読破すれば、通になれそうです。
 いずれのサイトも、これまでに出版された民俗学関連の書物を調べあげて、整理されわかりやすくまとめられています。これらを見る限り、天の星を絡めた七夕伝説はアジア特有の話のようです。またアジア各地にはいろいろな七夕伝説があり、羽衣伝説とも深くかかわりあっているようです。羽衣伝説の基本は、天女を自分の妻にするために羽衣を隠した人間の男性の話ですが、これって一種の横恋慕ですよね〜! 結局、羽衣を取り戻した天女は男性を(場合によってはできた子どもまでも)残し、天に帰って行くという話です。男性は後を追うけれど結局は拒絶され、間に天の川ができたり、空から落ちて星になったりと、純愛とは程遠い話だわ… アララ。。。

 すっきりはしたけど、純愛物語というよりは、古代の人間の生活や煩悩と直結した話で、チョット興ざめ…

 ま、古代から、「会いたい」「つながりたい」という気持ちはあったようで、それがかなわないといろいろなドラマが起こるという点では、現代に通じる永遠のテーマではあります。その気持ちを、ロマンにするか煩悩に終わらせるかは、人それぞれ…
 それぞれの文化や時代背景でも変わってくるということなのでしょうね。私は、「大好き!」という気持ちを、大事にしたいな〜!

【ここで、一気に、ワ〜プ〜!!】

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 「会いたい」という気持ち、現代社会では、訳あって会えなくなっても、携帯電話が伝えてくれます。互いの気持ちが確かであれば、自分たちの世界を作ることも不可能ではない。でも時として、煩悩が曲がった行動を引き起こす… そしてこの歪んだ行動(心)を、携帯電話が増幅させます。

 私ね、いまHメールを貯めています。毎日、20〜30通のメールが入ってきます。何でそんなことしてるのかって?? 携帯電話の架空請求のカラクリを、調べてみようと思ってね〜!!

 ある日、契約している携帯の会社からキャンペーンのメールが届きました。創立@周年記念のキャッシュバックキャンペーンだというので、応募してみました。その後から、ポロポロとHメールが届きだしました。キャンペーンのメールはこの携帯会社を装った偽装メールだったようです。
 Hメールは女の子の語調で「ここにアクセスして!」とURLがついています。パソコンからアクセスしてみると、女の子の写真つきのトップページが表示され、その先はパスワードがなければ入れません。携帯からはすぐに入れるのかもしれませんが、試していません。困ったものだとその都度、削除していました。
 1ヶ月ぐらいして「O弁護士事務所より告知」というメールが来ました。「サイトの通信料未納で訴えが上がっている。このままだと賠償請求等になってしまう。現状説明をするから大至急、連絡下さい。連絡無き場合は、告訴状を提出します。」といった内容で、時間と電話番号が指定してありました。

 ?? アクセスしてないのに請求書? 電話をかけろって? ハハ〜ン… こちらの情報を確認したいのね! これって噂の架空請求?!
 大人なら、そう考えます。でも、まだ社会のカラクリを知らない子ども(若者)だったら、どうするでしょう? しかも、過去に何回かサイトを覗きに行っていたと
したら、嘘だと見抜くのは難しいでしょうね。誰に相談できる? そういう話を一緒にできる大人が、傍にいるかしら? 慌ててその番号に、電話をするかもしれません。

 わざわざ電話して、こちらの所在確認をさせる必要はないわ! どう出てくるかと無視したところ、翌日から毎日20〜30通のHメール攻勢です。そこでツール(S社の「携快電話」)を使って携帯電話に届いたメールをそっくりパソコンに保存しなおし、集計しています。発信人のメールアドレスを見てみると、まったく同じ内容のメールが別の女性(?)から届いたり、逆に同じアドレスから立て続けに内容の違うメールが送られてきたりしています。時折、私自身のメールアドレスからも届けられます(成りすましですね)。パソコンを使って大量に、いくつかのパターンの文面を、発信人アドレスを適当に変えて発信しているのでしょう。スパムメールの意図的発信です。これだけでも犯罪だと思うわ! しかも内容は、金銭的な対価を明示しての男女交際の申し出も含まれます。完全な、犯罪行為です。でもメールだけではどこの誰の仕業かわかりません。発信人の所在が特定できなければ、透明人間です(ネットワーク犯罪の特異性ですね)。
 これからのネットワーク犯罪を取り締まるには、情報社会の特性を理解し高い技術を持った、機動性の高い新しい組織が必要だと、つくづく思います。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 「そんなものを見るほうが悪い!」と言う人もいるでしょう。でもね毎日毎日、女の子の語調でお誘いメールがきたら、「一度、サイトでも覗いて見るか…」と思う子が出てきても不思議はありません。興味と好奇心が強くなり、心と衝動の制御がつきにくくなる若い世代です。ストレスもあるでしょう。欲求のあることを認めた上で、どう行動するかを考えさせる学習が必要です。
 本当は「思春期の健康」「欲求と自己実現」「心と体」「行動の選択」… そういうことを親が子どもと会話していけると嬉しいけれど、日本の多くの家庭はそういう
の苦手みたいですね。携帯電話や情報社会(人間)の表と裏、そういうことも、うまく教えていません。でもこれは人間形成に繋がる話で、「放っておいたら自然に自己制御ができるようになる」わけではないことは、これまでの歴史が教えてくれています。
 情報社会はこれまでの社会の「影」や「光」の側面を、大きく増幅させます。家庭での教育が及ばないのだったら、学校で「現実を知り、自分を知り、自分の行動を考えていく学習」を支援していくしかないでしょ〜! そのうち、その子たちが大きくなれば、日本の家庭教育力も、パワーアップすることを夢見てね!

 少しずつ、ニュースに取り上げられるようになってきましたが、この架空請求、実は高校生までも巻き込んだ若い人たちの間で深刻な被害が起きています。国民生活センターでも、Web110番でも、事例を挙げて詳しく解説しています。中・高校生の指導にかかわる先生方は、是非、ご覧になっておいてくださいね〜!

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

PS)
 「心身の機能の発達と心の健康について理解できるようにする。」、また、「思春期の健康」「欲求と自己実現」「心と体」「行動の選択」… という内容を学習目標にすえて、教育をしていくことになっている教科があります。でも実際は残念なことに、多くの学校では殆ど機能していないようです。
 さて、どの教科だと思いますか?? 皆さんの学校では、子どもたちの心と体の健康、きちんと指導できていますか??

(答:中学校の保健体育(保健分野)
高等学校の保健体育(保健分野)で〜す!)

 

 

 

○プロフィール○

体育とは縁のない分野出身ですが、縁あって今の職場に研究室を構えています。教員養成の講座を担当しています。ライフワークとして通称:永野プロジェクトに参加し、情報教育推進のための活動をしています。活動母体はJNK4(情報ネットワーク教育活用研究協議会)。活動の成果は火曜の会のサイトでご覧いただけます。
推理小説やクイズ・パズルが好き、料理でも裁縫でも芸術活動でも自分流の作品を作るのが好き、新しいことには興味津々、指示されたままに動くのはイヤ といった少女時代をすごしました。今でも殆ど変わってないみたい。いろいろな人や事件との出会いを楽しんでいます。150歳まで生きるのが夢! そうしたら、ドラえもんに会えるから〜!