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インタビュー&コラムインタビュー&コラム
教育の専門家にお聞きします

■ 2004/12/09掲載

身の回りの課題について調べてみたらどんなことが見えてくるのか?! に挑戦します。
一緒に情報活用をしてみませんか?


小田 和美
東京都 東京女子体育大学・講師

 

 

Vol.6

情報化 活かすもコロスも 人の知恵
 

 

 社会の中の情報化が進んでいますね。数年前と比べると、その充実度は雲泥の差。でもそれが、便利か・有効か・快適か となると、少し話が違う。情報化を支える人の知恵が行き届くかどうかが、肝要ですね〜! 私たちの生活を見渡すと、いろいろと現実の姿が見えてきます。最近の体験から、いくつか拾ってみました。

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 ETCというシステムがあります。車に専用のETC車載機をつけておくと、インターチェンジの料金所を通過するとき、車を自動認識してスムーズに通過できます。料金はETCカード契約をしたクレジットカードでの支払いになり、銀行口座から自動的に引き落とされます。とってもお得な、前払いシステムもあります。東京の郊外を含め都内を車で移動することが多く高速道路もよく使うので、私の車にもETCを搭載しました。
 ハイテクを利用したシステムです。なるほど、高速道路のインターチェンジがすいているときは、料金所手前で並んでいる一般車を横目にスイスイ。とても気分のよいシステムですが。。。 少し混雑が始まると、大学近くの国立府中のゲートでは、用を成しません。ETC専用のゲートの位置に問題があり、実際にはETCの機能が活用されていないのです。ゲートの配置、 右図のようになっているのですよ。
 このインターチェンジは最近、大掛かりな工事を終えたばかりです。ゲートを追加して、そこまで誘導する道路も大改造しました。しかし見てのとおり、一般車のゲートが中央にあるため、混雑が始まると道幅いっぱいに一般車が並び、脇にあるETC専用ゲートに入りたい車の動きが取れなくなるのです。もし、中央(直進先)にETC専用ゲートをおいて、脇に一般車用のゲートを置けば、相当車の流れはよくなると思うのですがね。。。
ETCの機能を十分に活かすには、チョットした人間の知恵が必要だということですね。都内には他にも、このようなインターチェンジがいくつもあり、渋滞の列に巻き込まれるたび、深い知恵の必要性を感じます (ゲート通過前後の車の流れを検討した結果かもしれませんが・・・)。
 ちなみに、最近、茨城県を訪問したとき通過したいくつかの高速道路のゲートは、ETC専用が中央よりに置かれていましたよ。う〜ん。。。この違いは、なんなのでしょうね〜〜??

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 最近チラシ広告で、狭い我が家の近くにとてもいい感じの家を見つけました。これなら、子どもたちの学区を変更しないですみます。引っ越そうかしら〜〜!
 チラシは古くからある情報源です。バーゲンの広告などは即役立ちますが、不動産などの場合は、そのまますぐに購入することはあまりないでしょう。やはり調査が必要ですが、これまた面倒な話です。。。 授業を放り出して調査!なんて出来ませんし、調べると言っても時間がないのです。。。 どうしたものか… と、何気なく検索をしてみたところ… 
 その家を建てている建築業者さんがホームページをあげていました。地盤調査から基礎工事、柱組みなど、建築していく過程や使用している工法などの解説が、写真つきで公開されていました。会社概要もあります。企業ポリシー、営業報告など、納得いく説明が得られました。販売も受け付けていたので、直接取引。メデタシめでたし!! これって、手数料がお得なんですよね〜!
 不動産売買も、インターネットの介入で、直接取引がしやすくなりました。そのうち不動産業界にも、大改造の嵐が来ることでしょう。仲介業者さんと直接販売とが入り混じっての市場展開… そのときの勝負の分かれ目は、「情報発信の上手下手」になっていくように思います。
 見る側も賢くなっていますから、単に表面的な発信は、だんだん淘汰されていくでしょう。しかし、いくらよい仕事(活動・実践)をしていても、それを社会にアピールする力量を持っていないと、社会的に認知されるのが難しい時代だと言うことです。「自分をアピールする」…日本人の弱いところね… でも、アピールと(人を押しのける勢いの)自己主張とは違います。日本らしい地道な自己主張ができるような知恵が、膨らむといいですね!

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 さて、引っ越しです。と言っても、一人じゃ無理ね… 引っ越し屋さんを頼むことにしました。どこがいいかわからないので、インターネットで見積もり一括申し込みをしました。十数社の引っ越し屋さんから、見積もりが届きました。自社のサイトを紹介している会社としていない会社がありましたが、これはしたほうがいいわよね〜! だって、インターネットで見積もり依頼するくらいのお客さんなら、自社サイトを紹介すれば見るでしょ?? 
 見積もり送ってきただけで、後は何の連絡もないところ、しつこいほどメールを送ってくるところ、イロイロです。これは、さじ加減が大切ね。メールを使う場合は、見えない相手の反応を予測しないと、失敗します。でも、便利な時代になりました。引っ越し屋さんの情報が一度に手に入り、居ながらに選択できるのですからね。
 どの引っ越し屋さんに頼もうかという段になって、困ったことが起きました。どの引っ越し屋さんも、最終的な見積もりは、営業さんが来宅して荷物を見て決めると言うのです。来てもらうったって、日がないのですよ。。。
 来宅見積もりしないで引っ越し依頼できるところ、ないのかしら。。。 ありました! 訪問見積もりをしない「引越し革命」を売りにしてる引っ越し屋さんです。ネット上で、必要な情報を入力すると、概算見積もりが出て、後は電話で確認すれば契約成立するというもの。便利! 早速依頼!
 最近、ネット上の商取引では、顧客のデータベースを元に、対応していますね。引っ越し屋さんもそうです。受付のお嬢さんは曜日によって変わりますが、データベースにのっている情報については連絡が取れています。メールと電話で、とりあえず引っ越しの方法と日程が決定しました。何トントラック何台、スタッフの人数、どちらも、コンピュータシステムを使って、業者さんが決めてくれました。

 ところが、引っ越しは、予定した日に終わりませんでした。荷物が多くて、トラックに乗らなかったのです。でもね〜 申告した家具以外は、運んでいないのだけれどね〜。
 やはり、経験をつんだ営業さんが来宅して、引っ越しする荷物を見て、スケジューリングをする方が確実ということなのかしらね? 
 しかし、電話と会社のデータベースを活用して、翌々日、再度引っ越しトラックの手配ができました。こうなると、もはやコンピュータではなく、人間の作業です。「システムも、ひとの知恵にはかなわない!」なんて、標語ができそうですね。

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 引っ越しの最中、新聞の勧誘が2社やってきました。「すごいな〜! どうやって引っ越しがわかったのだろう??」 翌日、NHKの視聴料契約をしに、担当員がやってきました。「すごい! 引っ越し情報まで業者間でやり取りされているのだろうか?!」

 NHKの転居の契約手続きをしながら、担当員に聞きました。「引っ越し情報のデータベースか何かがあるのですか? 互いに連絡を取り合っているとか??」「いえいえ、そんなことはしていません!」
 違うのだそうです。「新聞屋さんがどうしてやってきたかは知らないが、引っ越し当日に来たのは偶然でしょう。私たちは、地区ごとに担当が決まっています。毎日、担当区域を歩いて、人の動きをチェックしています。大体、10日に一度廻りますから、もし今日、お客さんと会えなければ、次に来るのは10日後ぐらいになります。」ということでした。
 エリアごとに重なることなく担当者が配分されていて、その人が自分の地域の人の動向情報を集め、持ち歩いている端末に入力していく。毎日帰ると、その端末をセンターとつなぎ、センターに情報を送る。センターからは新しい更新された契約情報や、他エリアからの情報が送られてきて、端末内の情報が更新される。
 そういうシステムで、日本全体の世帯の動向が把握され、NHK独自のデータベースができてるのだそうです。端末を見せてもらいました。チョット大きめのシステム手帳大の端末で、ペン入力できるようになっています。肩から下げたカバンの中には、簡単なプリンター。その場で領収書などが印刷できるようになっています。東京ガスの担当員が持っている端末のような感じでした。
「東京ガスさんは、もっと古くからやっていましたが、私たちは3年前からです。イヤ〜〜 大変だったんですよ〜!!」
 何が大変だったかを聞くと、「この機械を覚えるのがです! この年ですからね〜 研修・研修・研修で、必死に勉強しました。胃が痛くなりましたね〜! 文字通り、60の手習いですよ。。。」ということでした。その方は若い頃から何十年もその仕事をしてこられ、60になった3年前、現在のシステムが導入されたのだそうです。

 システムはとても良くできていて、画面にしたがって操作していけばよいようになっています。若い人なら、すぐに操作は覚えられるでしょう。しかし、操作ができても営業活動はできません。NHK視聴料契約システムとしては、これまで足と応対能力で仕事をしてきた人たちの知恵を生かすため、彼らに研修を行って端末を導入したというわけね。 
「いろいろなお客さんがいますよ〜 地域によってもね、差がある。」面白い話をいくつか教えてもらいました。日本社会・人間社会が垣間見られる、苦労話でした。
 システムの導入で、これまでの膨大な契約・集金確認作業は大幅に効率化し、精度も高くなったことでしょう。調べてみると、NHKの契約は、ネット上でもできるようになっていて、契約の意志のある人には便利です。まだ、よく知られていませんけどね。しかし、出入りの激しい地域情報は、日本全国を担当する数百人の人の足と知恵によって支えられているようです。

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 日本全国、情報化が進み、多くの分野がそれぞれのデータベースを作成しています。高精度なシステムも、生活のいたるところで目に付くようになりました。しかし、活かされているもの、役立たずのもの、いろいろです。活かすもコロスも、ほんと、ひとの知恵ですね!

 



 

   

○プロフィール○

体育とは縁のない分野出身ですが、縁あって今の職場に研究室を構えています。教員養成の講座を担当しています。ライフワークとして通称:永野プロジェクトに参加し、情報教育推進のための活動をしています。活動母体はJNK4(情報ネットワーク教育活用研究協議会)。活動の成果は火曜の会のサイトでご覧いただけます。
推理小説やクイズ・パズルが好き、料理でも裁縫でも芸術活動でも自分流の作品を作るのが好き、新しいことには興味津々、指示されたままに動くのはイヤ といった少女時代をすごしました。今でも殆ど変わってないみたい。いろいろな人や事件との出会いを楽しんでいます。150歳まで生きるのが夢! そうしたら、ドラえもんに会えるから〜!