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インタビュー&コラムインタビュー&コラム
教育の専門家にお聞きします

■ 2005/03/29掲載

身の回りの課題について調べてみたらどんなことが見えてくるのか?! に挑戦します。
一緒に情報活用をしてみませんか?


小田 和美
東京都 東京女子体育大学・講師

 

 

Vol.7

巣立ち (カラス。。。)
 


 花粉飛び交う、春がやってきました。木の芽どき、鳥もヒナを孵(かえ)し、動物たちも子育てが始まります。4〜7月は、カラスの繁殖期。この時期は、カラスに襲われたという被害報告も増えるようですが、本当にカラスは人を襲うのかしら・・・??

 調べてみました。春から夏の子育ての時期、親カラスはヒナを天敵から守るため、巣に近づくものを追い払おうと警告を発したり、時には襲ったりすることがあるようです。カラスのこと「ザっとお勉強」するには、日本野鳥の会の中にある、カラスQ&Aがわかりやすいかと思います。

 都会に住んでいると、特にこの時期、カラスは身近な自然になります。まずは、都会のカラスの巣をお見せしますね。東京都カラス対策プロジェクトホームページ「からすの豆辞典」のQ5に、見事な巣が載っています。ウソみたいですが、ホントです。他にもありますよ。ここまで、加工してしまうのか・・・!という写真は、市川市の自然博物館で見られます。日本野鳥の会の中にある「特集 カラス再発見」の「お騒がせカラスのおもしろ行動」では、木の枝とハンガーを使った巣の比較写真があり、ハンガーのどこを口にくわえるとよいかという考察も出ています。このページ、カラスの面白情報がいろいろ載っていますよ。
実際、ベランダにやってきたカラスを見ていると、物干し竿(さお)にしっかりと止めてあるハンガーのワイヤーを、器用にくちばしで曲げたり延ばしたりして取り外しています。賢いな〜〜

 そうなんですね。都会では、クリーニング屋さんでもらうワイヤーハンガーが、カラスとの攻防のキーワードのひとつになっています。ワイヤーを使うと、丈夫な巣が出来上がる。で、順調に子育てが進み、無事巣立ちの日を迎え、カラスが増える。。。

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 このカラスを、「害鳥として捕獲・減数すべきだ」という意見と「自然との共生というのは、ギリギリのところでの攻防を含んでいる。人間の都合で一方的に殺すのはよくない」という意見が、ネット上で戦っています。難しい問題ね。なにがって「事実を多くの人間に周知させ、自然や動物に対する見方を変える」ということをしない限り、人間はやはり自分中心に行動してしまうからね。

 東京都は平成13年にカラス対策プロジェクトを発足させ、その報告書を元に、毎年の施策を立てています。方針の基本柱は3本。
1.生ゴミをカラスに食害されないように出す。
2.針金ハンガーはカラスに盗られないよう、使ったら必ずしまう。
3.カラスに餌を与えない。
 実際に東京都では、ゴミ出しの時に上へかぶせるネットを、無料配布しています。さらに毎年、捕獲計画を立て、捕獲を進めているようです。当然、動物保護の立場からの反対意見が出てきます。それに対する反論も書かれていて、なかなか、考えさせられます。環境省の自然環境局では、自治体担当者のためのカラス対策マニュアルを作成し、公開しています。こちらも方針は東京都と同じ路線ですが、説明や資料が豊富で、カラスそのものを知るにはいい勉強になります。繁殖期に入ったカラスは、子どもを守るため、巣を狙う(とカラスが感じた)相手を観察し、威嚇し、それでも相手が立ち去らないと攻撃をするのだそうです。エライな〜。。。 しかし人間には、威嚇と攻撃の区別つかない。悪い噂も広まっている。そこで、威嚇されただけなのに(あるいはただ飛んだだけなのに)、攻撃された! と言ってくる人もいるとか。それは困った問題ですね。。。

 カラスの中には、知恵者もいればゴロつきもいることでしょう。人間との共存が出来るものもいれば、困り者もいるでしょう。えさが潤沢にあるので、カラスも増える。巣が丈夫になるので、子どもも育つ。だから、ゴミにはネットをし、ハンガーは外に出さないようにしましょう! ここまでは、納得できます。しかし、そこまでの知恵を持ったカラスを、人間の都合で捕獲・抹殺してよいものかという疑問は、解消されません。

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 「カラスの知恵」は、いったいどれほどのものなのでしょうか? 昔、「自然の枝や葉っぱを加工してドリルや箒 (ほうき)や鉤(かぎ)を作り、仲間に配るカラスがいる」という報告を読んだ記憶があります。どこのカラスだったかな・・・?? 確か、南の方の島だった。。。 と、これまた、調べてみました〜!!

 ありましたよ!! ニューカレドニアにいる、カレドニアカラスというカラスのようですね。もともとの報告はネット上では見つかりませんでしたが、代わりにおもしろいページを、いくつか見つけました。
 科学ジャーナリスト柴田佳秀さんの「カラス研究室」にいくと、動物学的、社会的カラスの情報が満載です。いや〜、詳しいです。攻撃の原因や対応方法なども、とっても納得できます。その中の「ニューカレドニアの天才カラス」に行ってみてください。カレドニアカラスの写真入で、幼虫釣りや、木の実割りの様子が見られます。ついでに、ニューカレドニアのきれいな景色と鳥たちを見て、ひととき、南の島に旅行できます。
 石田豊さんの「好奇心」では、ベッティというカラスの情報がありました。オックスフォード大学行動生態学研究グループでは、カレドニアカラスを研究のために飼育しているらしいのです。やはり自然界では、いろいろな種類の道具を作ることが知られていると言うことです。そして、ここの研究室では、ベッティというカラスを小さいころから飼育し、研究しています。彼女が道具を作りビンの中のえさを吊り上げるところや、自然植物を加工して道具を作っているところ は、このページの左側にある「Movies」から動画を見ることができます。いろいろな研究があるのですね〜〜 

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 いや〜、ネットワーク、おもしろくなってきましたねッ!!
 調べれば、どんどん広がっていく興味の世界です。

 調べまわっていて思ったのですけどね、カラスにも、歴史や生まれ育ちがあるのよね。性格もあるでしょう。生きてるってそういうことですよね。一方的な環境保護でない、カラス(自然)との共生って、きれいごとじゃ済まない深いテーマです。カラス。。。教材としても、検討の余地 大いにありですね。
 人間も同じよね。生きている(成長していく)って、大人たちが期待するほど、スンナリ行かない。むしろ、デコボコをしっかり確認しながら成長する方が、大きくしっかり育つ。それぞれの個を活かすには、まず、個を受けとめないとね。

 カラスの巣立ちまでは1〜2ヶ月、人間の巣立ちまでは十数年。どちらも、成長のための大事な時期。大きく羽ばたいていくために、デコボコを含め見守っていける度量を、私たちが大人が持てるといいですね。



 

 

○プロフィール○

体育とは縁のない分野出身ですが、縁あって今の職場に研究室を構えています。教員養成の講座を担当しています。ライフワークとして通称:永野プロジェクトに参加し、情報教育推進のための活動をしています。活動母体はJNK4(情報ネットワーク教育活用研究協議会)。活動の成果は火曜の会のサイトでご覧いただけます。
推理小説やクイズ・パズルが好き、料理でも裁縫でも芸術活動でも自分流の作品を作るのが好き、新しいことには興味津々、指示されたままに動くのはイヤ といった少女時代をすごしました。今でも殆ど変わってないみたい。いろいろな人や事件との出会いを楽しんでいます。150歳まで生きるのが夢! そうしたら、ドラえもんに会えるから〜!