わが校自慢

Jiman

ひとり一鉢の「マイ盆栽」
自然に親しみつつ郷土への誇りを育み
次世代に受け継がれる盆栽の心。

埼玉県 さいたま市立植竹小学校

 全国の学校の「自慢の校舎」、「自慢の授業」、「自慢のクラブ活動」など・・・。
そんなわが校の自慢をレポートするコーナー。第4回目は、盆栽づくりに取り組むさいたま市立植竹小学校の活動をご紹介。
今や世界で通じる国際語"BONSAI"。世界に誇る「大宮盆栽」の地元で、5・6年生一人ひとりが「マイ盆栽」を育てています。

2014/07掲載
※ご所属先は、取材当時のものです。

盆栽という伝統文化を通して
地域に根ざした教育の実践
「マイ盆栽」を持って記念撮影!
合言葉は「盆栽はたのしぃ~」

「はつらつ にこにこ 美しく」
盆栽のある学校、さいたま市立植竹小学校。

校舎内には盆栽教室など掲示物が多数あり盛んに活動されている様子が伺える。

盆栽のベテランが揃う郷土で地域ボランティアと連携し2006年始動

盆栽教室

同校卒業生で、盆栽家として活躍しているボランティアグループ「ぼんさい遊々」会長の山田香織さんの指導のもと開かれる「盆栽教室」。
5年生、6年生が参加する。

 さいたま市には盆栽園が集結した盆栽郷「大宮盆栽村」がある。起こりは大正時代で国内屈指といわれ、世界的にも知られている。そんな盆栽の郷を学区に抱えるさいたま市立植竹小学校では、2006年から総合学習に盆栽が組み込まれ、盆栽愛好家のボランティアの協力を得て子どもたちが盆栽づくりに励んでいる。
 地元の歴史と盆栽文化への理解を深め、命の大切さを体験学習を通して学び、郷土愛を育む地域色豊かな取り組みとして、全国から注目されてきた。2017年にはさいたま市で「世界盆栽大会」の開催が決定し、その誘致活動において同校児童たちの盆栽への熱い想いがビデオレターで紹介され、世界の盆栽ファンの間でも話題となった。

約300鉢の自慢の「マイ盆栽」をみんなで面倒をみる

 2時限目の休み時間、校舎2階のテラスにある「にこにこ盆栽庭園」には水やり当番の子どもたちが集っている。5年生の秋に初めて制作した「マイ盆栽」は、5年生130名、6年生166名の全員分がずらり。樹種は真柏(しんぱく)というヒノキ科の丈夫な木が選ばれている。ボランティアスタッフの方々から「1鉢5秒、シャワーのようにね」という水やりの具体的なアドバイスに耳を傾けながら、全部の鉢を潤わせていく。
 盆栽には正面と裏があり、見立てや手入れが難しいという印象があるが、子どもたちに聞いてみると「最初はどこが正面か分からなかったけど、教えてもらっているうちに分かるようになった」、「盆栽は"和"って感じが好き」、「他の小学生がやっていないのがいい」と、子どもの視点で親しんでいる様子がうかがえる。ボランティアグループ「ぼんさい遊々(ゆうゆう)」の副会長・田端フサさんは「小人になったつもりで、大木を見上げるようにのぞいてみよう」と常々教え、盆栽ワールドへの興味をかきたてるアドバイスで子どもたちの心をつかんでいる。

盆栽庭園

子どもたちが手塩にかけて育てる、自慢の盆栽が並ぶ校舎2階の「にこにこ盆栽庭園」。

水やり

2時限目の休み時間を利用して水やり当番の子どもたちが1鉢1鉢丁寧に水やりをする。

指導

「ぼんさい遊々」副会長の田端フサさんが子どもたちに優しく指導。

盆栽を通じて、日本の文化を語れる国際人に

松田泰成先生

校長 松田 泰成 先生

四條隆直先生

教頭 四條 隆直 先生

もちろん校長先生、教頭先生もご自身で「マイ盆栽」を育てています。

 取材時に案内してくださった四條隆直教頭先生は「私自身が盆栽の体験を通して日々感動しています。自然の命を生で体験し、植物の神秘や何百年も続く盆栽という伝統文化のことなど、感じること、考えることがたくさんあると実感しています。盆栽という共通体験から、子どもたちにも細やかな心配りや優しさが生まれ、郷土を誇らしく思う気持ちにもつながっているようです」とのこと。
 また盆栽教育担当の守屋宏紀先生も「子どもたちが自分で盆栽や歴史のことを調べようという動機づけになっていますし、そんな子どもたちに応えてくれるボランティアの皆さんの熱意にも感謝しています」と、手応えを感じている。
 「せっかく、世界に誇る『大宮盆栽』の地に生まれ育った子どもたちですから、盆栽を通じて、日本の文化を語ることができる国際人になってほしいと思っています」と田端さんは語る。
 「マイ盆栽」は、卒業式の会場に飾られ、自宅に持ち帰られるが、その後も定期開催される盆栽相談で仕立てや生育についてアドバイスを受けることができる。在学中に根付いた盆栽の心を卒業後も育てていく。毎年咲く花木とは違って決して派手ではないけれど、盆栽ならではの静かな美しさや潔さ、小さな世界に宿るエネルギーや品格は、こうして確実に次世代へと受け継がれているようだ。

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