わが校自慢

Jiman

全校児童のアイディアから誕生したゆるキャラ「もりっこ君」
子どもたちと力を合わせて「楽しく元気になれる学校」づくりを目指している。

愛知県 名古屋市立しまだ小学校

 全国の学校の「自慢の校舎」、「自慢の授業」、「自慢のクラブ活動」など・・・。
そんなわが校の自慢をレポートするコーナー。
第5回目は、名古屋市立しまだ小学校のゆるキャラとその活動をご紹介。
シンボルキャラクターを全校児童と先生方が一体となってつくり、愛される存在として学校行事や校内活動に登場しています。

2015/01掲載
※ご所属先は、取材当時のものです。

子どもたちの下校を見守る「もりっこ君」。
子どもたちは「あ!もりっこ君」とかけよってくる。

名古屋市の東部に位置する名古屋市立しまだ小学校。
周りは閑静な住宅街。

早速、校長先生と「もりっこ君」が出迎えてくれた。

いじめのない楽しく元気になる学校へ願い込めてシンボルキャラクターづくり

 今や知らない人がいない熊本県の「くまモン」をはじめ、全国各地でさまざまな「ゆるキャラ」が活躍している。地域や活動のシンボルとして、人々のいろいろな願いが込められた存在である。
 しまだ小学校のゆるキャラ「もりっこ君」が誕生したのは平成25年。名古屋市教育委員会の「学校における仲間づくり推進事業※」に同校が手を挙げたのが始まりである。
 「いじめのない学校」、「みんなが毎日楽しく元気になれる学校」、「助け合い、あいさつをし合える学校」、そんな学校を象徴するようなシンボルキャラクターを作ろうと児童会を中心に活動がスタートした。

※児童生徒が互いを思いやる心を身につけ、友情を深めあう活動を活性化させるため、児童生徒が主体的に参画するいじめの未然防止につながる活動を推進します。(「きょういくなごや」名古屋市教育委員会)

全校児童が考案したゆるキャラの中から「SMD総選挙」で決定

 昨年9月、児童が運営する代表委員会の呼びかけで、クラスで1つ、キャラクターを考案。応募用紙にキャラクターのイメージを手描きし、プロフィールをつづった。それを元に全児童の投票が行われた。
 小栗一雄校長は「14学級のキャラクターが選出され、最終案は子どもたちによる投票で決定することになりました。名称を『SMD(しまだ)総選挙』と名付けたのも子どもたちでした」と笑顔で振り返る。
 そして、最も多くの得票を獲得したのが6年生のクラスが考案した「もりっこ君」。「もりっこ君」は、同校校庭の一画にある「しまだの森」からみんなの前に現れ、元気・勇気・優しさを「もりもり」与える王様のような存在だ。
 先生方は、子どもの描いたイメージ画を元に「もりっこ君」作りに取り組んだ。大きな発泡スチロールから頭部と胴体部分を削り出し、布を貼る。「しまだ」のタスキが誇らしげだ。最後には、子どもたちが作った王冠を飾り、平成26年1月14日、遂に完成。

発泡スチロールから切り出して頭と胴体を作った。

「もりっこ君」と作製した先生方。

頭のサイズに合わせて作製し、きれいにデコレーション。

子どもたちの仲間として、今後も活動の幅を広げていく

校長 小栗 一雄 先生

教務主任 坂野 奈緒美 先生

児童会担当 加藤 梓 先生

6年生を送る会で、卒業する6年生といっしょに校歌を歌う「もりっこ君」。卒業する子どもたちの心には、みんなと力を合わせて頑張った「もりっこ君」の姿が記憶に留まることだろう。

 「もりっこ君」は、2月のペア学年による出店やアトラクションで盛り上がる「冬のフェスティバル」の幕開け劇で初登場した。この劇は、代表委員会のオリジナル作品で「友だちを大切に思い、助け合っていくこと」をテーマとしたもの。
 いじめっ子が他の子をいじめているところに、しまだの森から「もりっこ君」が颯爽と現れ、友だちを大切に思うことの大切さ、みんなで力を合わせて元気な学校にすることの大切さをいじめっ子に気付かせる。
児童会担当の加藤梓先生は、「『もりっこ君』が登場すると、会場からは『わあ!』と歓声が上がり、たいへんな盛り上がりようでした。『もりっこ君』が話すことで、低学年の子どもたちにも、友だちを大切に思い、助け合っていくことの大切さがよく分かったと思います」と語ってくれた。
 その後は、卒業生を送る会、一年生を迎える会、運動会などの学校行事にも度々登場し、子どもたちの活動を見守り応援する役として、また一斉下校では見送り役を務めるなど活動の場を広げている。取材当日も子どもたちは、「もりっこ君」を見かけると「もりっこ君!」と元気に呼び掛け、かけよってきた。今ではすっかりみんなの仲間だ。
 指導にあたった教務主任の坂野奈緒美先生は、「活動の場はこれまで教師が中心となって考えてきましたが、今後は子どもたちが自分で考えて決めていくように働きかけたいと思っています。また校内だけでなく、地域でも広く活動できるようにしていきたいと思います」と語ってくれた。  子どもたちの思いがつまったゆるキャラ「もりっこ君」は、今後もますます活動の幅を広げていくようだ。

ページのトップへ戻る

スズキ教育ソフト