授業実践リポート ICT活用&情報教育

Interview

これからの技術分野
「D.情報に関する技術」の学習内容を見据えた、“情報技術”提示用教材の有効な活用とその効果。

横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉中学校
尾﨑 誠

(2009/08掲載)

カンタン!情報技術
活用校インタビュー

横浜国立大学附属鎌倉中学校
尾﨑 誠 先生

 

 

ディジタル提示教材
「カンタン情報技術」
新学習指導要領における中学校技術分野「D 情報に関する技術」に沿った提示教材を5つのカテゴリー構成から計16種類を用意している。単体でのご提供の他、中学校向け教育用統合ソフト「キューブNext3」にも付属している。

 

 

 

 


授業ガイド

授業の様子をすぐイメージすることができる。

 


ワークシート

提示教材と組み合わせながら、例えばこのワークシートのように紙面上で情報のディジタル化やパケット通信などの疑似体験を行うことで、科学的な理解をよりいっそう深めることにつながる。

 

 

 

 

───「技術・家庭科」技術分野では、実践的・体験的な学習活動を通して学習活動が行われていくと思いますが、そうした中で配慮しなければいけない点についてお伺いします。

尾﨑 現行の教科書では、体験しながら科学的理解を深めることがねらいとなっています。さらに現代社会の多様な技術を扱う新学習指導要領の学習内容においては“実践的・体験的な学習活動”と“座学”のバランスが大切になってくると思います。
 例えば、これまでの「情報とコンピュータ」、移行後の「D.情報に関する技術」の学習において、単にパソコンを操作すれば良いわけではなく、まず「情報」と社会との関わりを学び、「情報」の科学的な理解を深めた後にコンピュータ教室で実際に操作を行うなどの手順を踏むことが必要になってきますね。また、まとめの段階で座学をしっかり行うことも重要であると思います。

 

───「ものづくり」は、実技を進めていくうちに生徒自身の中に次第に興味がわいてくる、ということがあるかと思いますが、「情報」の学習で生徒に興味・関心を持たせるためにはどのような工夫が必要であると思われますか。

尾﨑 ディジタルの概念やプログラムをいきなり教えるのではなく、教室での授業の中で、日常生活の体験や経験が思い起こされる場面を例示するなど、生活と関連づけることが大事なのではないでしょうか。
 例えば、テレビ、インターホンや炊飯器、洗濯機など、センサーやコンピュータが組み込まれているホームエレクトロニクスの話題は、子どもたちの興味を惹きつけると思いますし、インターネット上でのチケット予約やダウンロードの話、あるいは携帯電話からの新幹線のチケット取得なども身近な出来事として、「技術」と社会の関わりに関心を持たせるきっかけになると思います。
 そうした内容を扱う授業は座学になるのでICTを活用して専用の教材をプロジェクタで提示しながら進めれば、より効果的に、より具体的な理解へと発展することになるでしょう。

 

───科学的な理解を促進させるためには、提示用教材/コンテンツなどの活用が有効ということでしょうか。

尾﨑 特に今、新学習指導要領への移行期でもあり、新しい内容に対応していることはもちろんですが、時々刻々と変化していく現在の情報技術をとりまく内容を扱っている教材はどの中学校でも求められていると思います。
 その点、今学校で活用しているディジタル提示教材〈カンタン!情報技術〉は効果的であると思います。
 教師が授業の中で説明する際の補助提示教材として活用する形になりますが、まずは生徒が興味を持ってスクリーンに集中しますし、内容的にも提示スライド教材としてよくまとまっています。
 ただ、提示用教材を見せて終わり ということではなく、教師の言葉や板書、教科書の内容を含め、授業で学んだ内容についての理解の促進や、考えを深め、まとめていくためのワークシートなどの「紙教材」が必要です。
 「提示用教材」と「紙教材」を組み合わせた活用により、科学的な理解をうながすと思います。

 

───ディジタル提示教材〈カンタン!情報技術〉に関しては、どのように評価していますか。

尾﨑 〈カンタン!情報技術〉は、体系的に内容が整理されている点で優れていると思います。しかも、新しい「D.情報に関する技術」にも対応しています。つまり、ただの情報の羅列ではないということです。
 また、授業の中で、とてもシンプルに活用できるという実感を持っています。内容のすべてを使わなくても、必要な部分だけを抜き出して活用することができるので、授業の時間に合わせて活用場面を設定し、5分や10分という時間に絞って提示することも可能です。

 

───活用する先生の指導計画や授業展開に合わせてフレキシブルに活用することができるということですね。

尾﨑 そうですね。授業ガイドやワークシートも付属していますし、スライドを見るだけでも授業の様子をすぐイメージできるディジタル教材なので、押しつけに感じることもなく、先生方の工夫次第で自在に活用できる点で、ひとつの理想的な教材として私は受け止めています。
 その他、写真などを学校の事情に合わせて変更できる点もうれしいですね。本校では、地元のJR横須賀線に関係した情報技術の内容などを盛り込みました。それによって情報技術と生徒との関係が身近なものになります。ただ、ほとんどの部分において、そのまま充分に授業で活用できるので、授業経験が少ない先生でもすぐに活用できるでしょうね。

───ありがとうございました。

 

 

 

ディジタル提示教材〈カンタン!情報技術〉を活用した『情報技術と社会や環境とのかかわり』の授業見学。

 7月上旬、横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉中学校の1年3組の教室では、1学期に学習した「情報とコンピュータ」のまとめの授業が行われていた。
 尾﨑先生は、『これからの情報社会』の単元の学習を、問いかけと板書を繰り返し、また、身近な事例を交えながら丁寧に行っていく。
  そして、実際に社会のどのような場面で情報技術が活用されているのかを〈カンタン!情報技術〉で見せていった。生徒からは、それぞれの生活と照らし合わせながら、さまざまな反応が声として返ってくる。コンビニのPOSシステムや音楽のダウンロードなどの話題にすぐさま反応する子どもたち。また、情報社会の発展にともなう弊害にも目が向けられ、システムダウンや情報の流出、また、コンピュータの長時間運用にともなう地球温暖化などの話題にも興味を抱く姿があった。

 〈カンタン!情報技術〉によって提示されたイラストや写真への関心は非常に高く、スクリーンへの注目が一気に高まる。

 そして、最後に先生が用意したプリントに、学習のまとめを書き込み授業は終了した。

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