授業実践リポート ICT活用&情報教育

School Now

愛知県 岡崎市立生平小学校

「できあがることが楽しい!」と感じる授業をめざして

 キューブ活用コンテスト

 第13回 準グランプリ

 第14回 優秀メディア賞 受賞校

 

2013/03掲載

4年連続でキューブ活用コンテストに作品を応募し、毎年優秀な成績を残している生平小学校。
第14回は、小学2年生の作品「交流会で学校よいところ紹介」(生活科、図工、国語)が優秀メディア賞に輝いている。
例年、年度末の「まとめ」として行われた授業実践が応募され、子どもたちにとっても思い出に残る学習となっているようだ。
今回は、4年生の担任の杉山康子先生にキューブ活用のポイントを伺った。

 

愛鳥モデル校として長年の実績

長い時間をかけて製作された野鳥作品。大変精緻につくられている。
製作時間は7時間ほど。葉っぱ集めを含めるとさらに長期間の学習になっている。
なお、作品は、岡崎市・岡崎市教育委員会などが主催する「第49回造形おかざきっ子展」(おかざき世界子ども美術館)へ出品された。

 コンピュータ室の黒板には、この日の授業として[「生平の野鳥」作品かんしょう]という文字が描かれていた。
 4年生は、長い時間をかけて、図工の時間に学校の周辺で見られる野鳥を画用紙に表現した。それは絵画ではなく、集めてきた葉っぱを一枚一枚ボンドで画用紙に貼って仕上げた作品である。
 まず驚いたのは、その野鳥作品が丁寧につくられていること。河合美智代校長先生によれば、「本校は、愛鳥モデル校として普段から愛鳥保護活動を行っています。子どもたちは、野鳥については大変くわしいですよ。2009年には、第44回全国野生生物保護実績発表大会において、文部科学大臣奨励賞をいただいています。」とのこと。
 なお、今年の第47回全国野生生物保護実績発表大会にも参加することが決まっている。
 長年の活動が普段の学校生活や学習場面で成果となっているのである。

 

作品の完成を楽しむために

<キューブページ>を使い、「4年生の今」という題で「今までの自分」、「今の自分」、「これからの自分」をまとめていく。イラストは「これからの自分」で実現する自分の姿を描き、<キューブページ>に貼りつけた。さらに図工で作製した「大空にはばたく鳥」の写真や習字の作品を貼りつけて完成させる。複数の教科にまたがった活動である。

 野鳥の作品を個別のフォルダから選び、〈キューブページ〉に貼り付けることから、4年生の授業がはじまった。
〈キューブページ〉には、杉山先生が事前に準備したレイアウトがつくられ、子どもたちは指定されたスペースに画像を貼っていく。また、鑑賞するための補足として説明文を入力していく。
 今回のレイアウトは、サンプルを元に杉山先生が少しアレンジを加えたもので、子どもたちはレイアウトに合わせてイラストを取り込んだり文字を入力していくことで比較的短時間で完成するようにつくられている。
 「子どもたちは、できあがることが楽しいんです。そのためには、事前に準備しておき、あたかも子どもたち自身がつくりあげたかのようにフォーマットを整えておくことが必要です。時間の短縮になると同時に、子どもたちの学習意欲も高まります。」と話す杉山先生。子どもたちの活用能力に合わせた教材づくりが行われている。

 

情報機器で想いがつながる授業へ

 杉山先生が、普段活用しているのは、〈キューブページ〉の他に〈キューブプロジェクタ〉やお絵かき、音楽ソフトなど。「紙芝居風に仕上げるために〈キューブプロジェクタ〉を活用することもありますし、低学年では、手書きのイラストをスキャナで取り込んで、ペイントで着色することもあります。情報機器活用のきっかけとしては、親しみやすいですね。また、音楽ソフトも創作活動の場面で活用しています。」とのこと。パソコン室には共同学習環境が整っていることもあり、お互いの作品を提示して鑑賞することも手軽にできる。
 河合校長先生も、「今は、周囲との関わりを持つ学習が大事になっています。コンピュータを活用することで友達の作品を見ることができたり、発表も容易になりました。自分の想いがつながっていく授業を大切にしていきたいですね。」と情報機器活用に、今後も期待している。

子どもたちは、友達の作品を大型モニターで簡単に見ることができる。

イラストはいったん紙に描いてスキャナで読み込み、お絵かきソフトで色づけする。いきなりお絵かきソフトで描くより簡単に上手にできる。

 

 

河合美智代 校長

「職員室では、自然にコンピュータを活用した話題で 盛り上がっているようです。杉山先生を中心に、子どもたちが意欲的に学習できるような授業づくりが進んでいますね。」


杉山康子 教諭

「毎年、年度末の子どもたちの作品成果を応募してきました。キューブは、創作活動や作品制作の場面で活用しています。事前準備によって子どもたちの学習意欲が高まるように工夫しています。」

 

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