関連サイト

授業実践リポート ICT活用&情報教育

北海道 札幌市立発寒西小学校

「やってみる」から「やってみたい」へ

まずはキーボード入力に親しむ

5年2組 担任 髙橋 慶之 先生

 

 

2016/07掲載
※ご所属先は取材時のものです。

 札幌市西区の発寒地区にある発寒西小学校。全校児童数839名・学級数25学級と、西区の中でも児童数の多い学校である。まだ寒さの残る5月上旬、5年2組のキーボード入力の授業を拝見した。

やる気の源は「達成感」

授業の様子

 先生と子どもたちで、声を合わせて今日の目標を確認する。「キーボード入力名人になろう」。先生の合図で、子どもたちはキーボー島アドベンチャーへの挑戦を始めた。基本的な使い方は、前時に全員で確認してあるので、大変スムーズだ。各自のペースで級をクリアしながら、キーボード入力の上達を目指す。

 5年2組は、普段はにぎやかなクラスだが、いざキーボー島アドベンチャーを始めると、とても静かだ。その集中力から、意欲の高さが伺える。子どもたちに話をきいてみると、「どうしても勝てなくて、何回も挑戦してやっと勝てたとき、うれしい」「最初は試合に負けるのがいやだったけど、だんだん上手になることが楽しくなって、試合をするときも、わくわくするようになった」と感想を教えてくれた。試合に勝ったときの「達成感」が意欲を高めているようだ。子どもたちの中からは、試合に勝ったのか、時折「やったー!」という歓声が上がった。

できない部分は、子どもたち自身で補う

「自主トレ」画面

 子どもたちは、なかなか合格できない級があれば、コツコツと練習を重ねる。各級に設けられた「自主トレ」に取り組む児童もいた。画面に表示されているキーの位置と自分の手元にあるキーボードを照らし合わせながら、繰り返し練習していた。

 また、ローマ字が身に付いているかどうかも、キーボード入力の速さに関わってくる。入力の仕方がわからない文字は、隣同士で教え合ったり、ローマ字表を確認したりしていた。不得意な部分は、子どもたち自身で補う雰囲気が作られている。

先生のお手本がヒントに

「どうしても勝てない…」と、アドバイスを求める児童。髙橋先生のホームポジションからの入力のお手本に興味津々。

 髙橋先生は、机間指導をし、子どもたちから要求があれば、自らキーボード入力のお手本を見せる。どうしてもクリアできない級を先生がクリアすると、子どもたちから歓声があがる。髙橋先生も一緒に喜んでいる様子から、子どもたちと同じ目線に立って指導をされていることが読み取れた。

 授業の最後に髙橋先生は、子どもたちに今日学習したことや、これからの目標を聞いた。「今日はちょっとしか進まなかったから、次はもっと進めるように頑張りたい」とさらに意欲を見せる子どもたち。髙橋先生のキーボード入力のお手本を見ていた児童は次のように感想を語ってくれた。「先生のお手本を見て、同じような打ち方でやってみたら、クリアすることができた。次の級はクリアできなかったけど、先生の打ち方で今度も頑張りたい」「今日は左手はあまり使っていなかったけど、次は左手ももう少し使って打ちたい」。キーボー島アドベンチャーを勝ち進むには、ただ単に文字の入力の速さや正確さだけではなく、指の使い方も重要だと気づいた子どもたち。今日の一番の成長だった。

インタビュー

まずは「やってみる」が大切

髙橋 慶之 先生

-今回の授業のねらいをおきかせください。
 子どもたちには、目的意識を持たせたいなと思いました。現在5年生の子どもたちは、将来的にCBT方式の大学入試に臨むことになるかもしれません。子どもたちには、将来を見据えて、今のうちから速くキーボードを打てるようになれたらいいよね、という話をしました。子どもたちも納得してくれたところで、キーボー島アドベンチャーをスタートしました。まだキーボー島アドベンチャーを使い始めて1週間くらいの段階なので、まずは実際にキーボードに触れて、慣れ親しむところから始めています。

-子どもたちのやる気はいかがでしょうか?
 やればやるほど、文字の入力が早くなるのと、クリアしていくというゲーム感覚の要素があるのが楽しいようです。中休みに、子どもたちに「キーボー島やってみる?」と聞いてみたんです。すると、「やりたい」とクラスのほぼ全員がコンピューター室にやってきました。他の用事があって来られない子は残念がっているくらいです。中休みや昼休みに進んでコンピューター室でキーボードに触れているので、自然とキーボード入力がどんどんうまくなっていっています。

-今後の課題はどのような点でしょうか?
 私もキーボード入力指導は初めてなので、子どもたちには、まず楽しくキーボードに親しんでもらえれば良いと思っています。今後はさらに、そのもう一歩先として、ホームポジションからの入力を身に付けてほしいと思っています。中には、どこにどのキーがあるのか分かってきている子もいて、これからさらに練習してできるようになっていってもらえたらと思います。  いずれは卒業文集に載せる作文をキーボード入力で書けるようになったら良いなと思っています。ぜひみんなで挑戦してみたいですね。

-これからキーボード入力指導をされる先生方へのメッセージをお願いします。
 できなくて、できなくて、やっとできたときの子どもたちは、本当にうれしそうです。自分自身も、子どもたちが楽しむ姿を見るのがうれしくて、一緒になって楽しんでいました。気がついたら、子どもたちは自然とキーボードに慣れ親しむことができていました。キーボード入力指導について、最初はわからなくても、まず子どもたちと一緒になって取り組んでみることが大切だと思います。

授業もキーボード入力も、しっかりと基本をおさえること

校長 新保 元康 先生

 本校では、ICTはもちろん活用するのですが、それだけではなくて、日常授業の基本的な部分の改善を目指して日々取り組んでいます。たとえば、ノートの取り方や授業中に机の上に置くもの、宿題の出し方等、先生によってばらばらになりがちなところを統一しています。すると、子どもたちはより学習に集中できるようになるのです。

 これは、ICT活用にも同じことが言えると思います。最初にしっかりと基本となるリテラシーを身に付けておけば、後からICTを使った学習をするときに、課題に集中できるのです。身に付けたいリテラシーのひとつとして、キーボード入力があると思います。学校の学習としてキーボード入力をしっかりと指導することが、将来的に、社会の中で子どもたちのもつ能力を最大限に発揮させることにつながるのです。

 しかし、今の授業時間の中で十分にキーボード入力の練習の時間をとることは難しいのも事実です。キーボー島アドベンチャーなら、子どもたちはすすんで「休み時間」に取り組みます。限られた授業時間内では取り組めない分を子どもたち自身で補ってくれているので、大変助かっています。

ページのトップへ戻る

スズキ教育ソフト